労働者とはだれ
労働基準法という法律があります。略して労基法と呼ぶのですが、この法律の9条において労働者の定義が定められています。この法律によると、労働者とは職業を問わず、事業に使用されるもので、賃金を支払われる者となっています。この労基法9条の定義に該当する労働者に対して、同じ労基法に定められている労働条件の最低基準などに関する保護が及ぶことになります。労基法以外でも最低賃金法や雇用機会均等法、労働安全衛生法、労働者災害補償法といった実定法規や最高裁判所の築き上げてきた判例によって形成されている労働契約法理が労基法9条の労働者に対して適用されるのです。平成19年には労働契約法、通称労契法が制定されましたが、この労契法上の労働者の定義も使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者とされており、労基法9条と同義であると理解されています。
民法では労働給付に関する契約として、「雇用」「請負」「委任」などの規定を設けています。簡単に説明しますと、雇用が当事者の一方である労働者が労働に従事することに対して報酬を支払う形となり、請負は仕事の完成に対して報酬を支払います。委任の場合には法律行為を相手方に委託するといった形となっていますが、いずれの契約を結んでいたとしても労働者が使用される者であれば、労基法と労契法に定められている労働者となります。
裁判となった場合に労働者であるか否かの判断は、労働の実態から判断されます。いくつかの判断基準を総合的に見て決めるのですが、同居の親族のみを使用する事業で使用される労働者や家事使用人は、労基法上の適用対象から116条2項によって除外されています。ちなみに労契法の場合は、同居の親族のみを使用する場合に適用除外となっています。